撮影の意義

お見合い写真というのは、相手に自分を知らせるための自己紹介のツールではあるのですが、これを一生の間に何回も撮影する人は殆どいないのではないでしょうか。当然、普段の生活とは何の関係もないスペースで、初対面の人に見せるに相応しい好感度の高い笑顔を作らなければならず、考えて見れば、お見合い写真撮影というのは、非常に気が重いものであることは頷けます。まず、気後れする原因の一つに、自分の愛想良く笑った顔というものを、タレントでもあるまいし客観視したことも無く、だから、崩れ過ぎず、無愛想でもない笑顔とやらがいったいどの様な物なのか判断が付かないという事があります。パソコンのモニターを見て初めて「へぇ~!私の笑った顔ってこんな!」となる訳です。でも、そこからが、新しい自分の発見、そして学習の始まりでもあります。笑うと目が細くなるからパッチリ開けて、と思っても今度は見開き過ぎてどこか不自然な感じになってしまい、それを押さえ様とすると逆に眠そうになり、それは能動性の欠如にも結びつき兼ねず、いつまで経っても難題は尽きません。結局、最後に行き着くところは、某ハンバーガーショップのスマイル0円に象徴されるサービス精神に他ならないのですが、悪戦苦闘の末、奇跡の一枚を撮り終えて思う事というのは、自分自身の新たな発見であることに違いは無いようです。お見合い写真としてのみ捉えるのではなく、自己の中に眠り続けていた才能が開花したような、若干なりとも新鮮な驚きを覚える瞬間がこの体験であるのではないでしょうか。